人はなぜ幼少期があるかといえば、社会を想像で体験するためではないか、と思うのですね。
つまり、子どもたちはこの世にないものを「ある」と言ったり、あったらいいなと思うものを「ある」と言ったりします。時に大人はそれを「うそ」と断言したりしますが。
実は、この子どもの行動は、社会を疑似体験するための大切なプロセスです。
このことを2015年度は、幼稚園の活動の中で、さらに深めていきます。
心情と意欲と態度の関係において、「心情」に寄り添うために。
10歳くらいまでは、この状態の心情が続くといわれています。そして、自分でライフスタイルを決めます。そのあと、そこで得たスタイルを一生使う、と言われています。
つまり、子どもたちは10歳になるとき、大きな人間の部分が出来上がるという訳です。その年齢までに必要なのは想像する力です。それが将来の創造力につながります。
子どもたちのこの想像の世界をメンタルタイムトラベルと呼びます。いわば、心の中のタイムマシンです。その存在を認め、活用することで、子どもたちの心が育ちます。ごっこ遊びはその典型です。
教育指導要領によると、小学生になると、心情と意欲と態度という構造が、知識と技能と態度に変わります。つまり、「心情」と「意欲」と付き合うのは、今しかないのですね。
くわな幼稚園ではこの思いを具現化するために、工夫と展開を行います。今までと違った展開にもなろうと思われます。
また、意欲を全面に出した活動より、細かい説明と解釈が必要になります。活動自体も地味になります。より子どもたちの内面に寄り添うために、静かな部分に踏み込みます。目に見えない子どもたちの心の中を育て、それが意欲となり、立派な態度を導き出すよう、組み立てます。
一年間、スタッフ並びに幼稚園の運営に理解を寄せていただきありがとうございました。
至らないことの数々、お許しをいただきながら、次に進みます。
ありがとうございます。
Vol. 33 No. 100 3/20/2015