教育というのは、その成果が出るまでに長い時間を要するので、仮説のもとにいくつかの試みを行いながら、進みます。
結果は、ともすると100年単位でしか分からないものもあるような気がします(その事さえ、実証されてはいない)。
この頃、言及される課題として、認知能力と非認知能力があります。
認知能力とは、「跳び箱が跳べるようになった」と分かる能力のことです。目に見える能力のことです。
非認知能力とは「跳び箱を跳ぶにあたって、考えたこと」で伸びる能力のことです。目に見えない能力のことです。
とかく人は見えるものに対して意識が高く、見えないものは努力しないと認識できないものです。
教育において、これら二つの作用が入り混じり、相互に作用しながら、進んでいます。
そこで、見える能力(認知能力)に着目するより、見えない能力(非認知能力)に今、着目すべきである、とする流れがあります。つまり、今までの言葉で言うと「あと伸びする力」に力点を置きましょう、ということです。
子どもたちの、心の中の努力を認めよう、かつ見えなくても、努力していることを認識しよう、とするのが、これからの時代を担う子どもたちが受けるべき教育とされている、ということです。
Vol. 34 No. 79 12/18/2015