好きなこと、面白いこと、興味のあること、いつも持っていたい物、それらが子どもの出発点です。
身の回りにあるものを拾い上げては、眺めてみましょう。それが教育の素材です。
教育、保育は、その素材の見極めに始まり、展開を試みます。
それが、教室でおきている事柄です。
しゃべったり、絵をかいたり、じっと考えたりして、試行錯誤が続きます。
保育で行われている事柄は、とってつけた突然の物ではなく、子どもたちが面白いと思うことの連続であるべきで、かつその展開であるべきです。
その思いを実現すべく、教師は展開を試みます。それがクラス作りでもあります。
そのために、「家に、こんなものがあったら持ってきてください」と子どもたちに依頼をすることがあります。そんな時には、ぜひ協力をお願いします。
練習したり、友達と一緒のことを一緒のタイミングでしたりすることで同時性を経験することがあります。
これを練習と呼んで展開していきます。
練習は社会性への入り口の一つでもあります。
子どもたちは、自分の思いのままに動くのが得意ですが、幼稚園という社会で、かつ学年が進み、自我を強く持つのが日常になると、ぶつかり合いが起きます。
それを乗り越える心の試練が、あるいは話し合い、結論を持とうとする心の動きが、次の展開です。
達成感が、それとされます。
自分で、「ともにする行動」を経験し、「とも」であることを確認することで、「ともにいること」の意味を見出すようになります。
その中には、「我慢すること」も含まれます。
同時に、「自己主張すること」も含まれます。
かつ、それらの展開の中で見いだせたものを、家族に見てもらうことで、自分自身の成長を家族の目に写してみて、より強く、正確に、愛情を伴って感じることができます。
これが、達成感となります。
同時に、見ている側も、その達成感の一要因であるとともに、達成感を覚える当事者でもあります。
つまり、子どもたちは見られることで自信を得、子どもの成長を見ることで、大人も成長します。
お互いに大きな感動を伴いながら。
子どもたちの成長、すなわち感動とは、このことです。。
Vol. 35 No 17 4/3/2016
四つの展開〜これで自由な保育と設定の保育が融合する